安全に食べる方法を見つけて伝えるために。

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福村 直毅 先生(健和会病院 リハビリテーションセンター長)

山形県鶴岡市のリハビリテーション専門病院から、長野県飯田市にある健和会病院にリハビリテーションセンター長として赴任された、福村先生にお話をお伺いしました。

ご施設の特徴について教えてください。

健和会病院は、1973年に「患者の立場に立った自分たちの病院=民医連の病院」を創りたいと願う多くの皆様から、尊い出資をいただき設立されました。
病院理念として、「地域の皆様と共に人間として尊重される安全・安心・信頼の保健・医療・福祉を実現する」ことを目指しています。

病床数は2015年現在で199床(一般病棟 129床 療養病棟 33床回復期リハビリテーション病棟 37床)となっています。
診療圏は飯田下伊那地域(香川県、大阪府に匹敵する面積)で、地域の輪番病院と共に一次二次医療を担っており、消化器、循環器、リハビリテーションを中心に地域の急性期から在宅まで、一貫した医療の提供を行っています。

実際やってみてどうですか?

入院、外来、往診、診療支援を駆使して必要な方のところに嚥下治療をお届けできるシステムを構築しています。

嚥下検査を年間1000件以上実施し、個々の状況を詳細に分析したうえで、医師、看護師、リハビリ技師、介護福祉士、栄養士、調理師などによるチームで適切な治療を確実に実施できます。

ご自宅にいらっしゃる方でも、入院中、施設におられる方でも診察に行かせていただいております。
飯田下伊那地区を中心に長野県や日本中に診療に出向いています。

看護科には4名の嚥下障害治療担当看護師がおり、地域からの相談に適宜対応しています。診察で安全に食べる方法を見つけて、看護師らが具体的な方法に作り上げて伝達しております。

当院は完全側臥位法*をはじめとした新しい嚥下障害治療を開発、発信しており、専門職の見学や実習、研修を随時受け入れています。
嚥下障害治療を行っている私は、平成27年度から当院に赴任し、これまで山形県で培ったノウハウを長野県から発信しています。

*完全側臥位法・・・横向きに寝て顔を上または横に向けた状態で食事をする方法。
 重力の作用で咽頭内腔で食材が咽頭側方に偏位するよう体幹側面を下へ向けるように寝た姿勢で食べる方法である。 (「医療・看護・介護に役立つ嚥下治療エッセンスノート」より)

最後に一言お願いします。

食べたい気持ちがあれば多くの方で食べる方法が見つかります。食べることは体を養い、心を癒します。無理をして危ない食べ方を続けてしまったり、栄養を摂れないままに時間が過ぎてしまうと体が弱り力が出なくなってきます。体が弱るほど食べる方法が限られてきますので、食べられなくて困ったときはできるだけ早くご連絡ください。住んでおられるところが遠くてもかまいません。
嚥下障害の治療は日進月歩です。お近くの先生方と協力して治療ができるように工夫していきます。

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福村 直毅 先生 プロフィール
1998年 山形大学医学部卒業 山形大学脳神経外科入局
2001年~リハビリテーション科
2003年 聖隷三方原病院、秋田県立リハビリテーション精神医療センターで研修
2004年 鶴岡協立リハビリテーション病院リハビリテーション科長
2015年 社会医療法人健和会 健和会病院 リハビリテーションセンター長 (現職)2006年       東京医科大学医学部医学科卒業【資格】
・嚥下認定士【所属学会・役職】
・日本リハビリテーション医学会
・日本摂食嚥下リハビリテーション学会
・日本脳神経外科学会
・日本東洋医学会
・日本内科学会
・山形摂食嚥下研究会会長【書籍等】
・医療・看護・介護に役立つ嚥下治療エッセンスノート(全日本病院出版、2015年11月)
・飲み込みらくらくお助け枕 ふたこぶラックン(嚥下障害のある方が食事をする際の誤嚥を防ぐ枕)の監修(株式会社ウィステリア、2017年1月)

 

編集後記

福村先生は、最近では1泊2日で嚥下内視鏡検査(VE)の動画を100症例を見るというVE合宿も主催されるなど、これまで培われたノウハウを積極的に発信されていらっしゃいます。

お話を伺う中で、患者さんやそのご家族のことを思いやり、適切な治療を必要な患者さんのところへ届けるために後進の育成にも力を注ぐ、福村先生の思いを感じることができました。

青4B

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