退院後の患者のために在宅での胃ろうカテーテル交換を決意

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宮内 邦浩 先生(あげお在宅医療クリニック 院長)

埼玉県上尾市で在宅での胃ろうカテーテル交換(PEG*カテーテル交換)を行っている、あげお在宅医療クリニックの宮内邦浩院長にお話をお伺いしました。

*PEG (Percutaneous Endoscopic Gastrostomy : 経皮内視鏡的胃ろう造設術)とは、
内視鏡を使って「おなかに小さな口」を造る手術のことです。(NPO法人PEGドクターズネットワークのホームページより) 

― 在宅医療に携わるようになったきっかけは何ですか?

胃ろうカテーテル交換の患者さんがきっかけでした。

上尾中央総合病院にいた頃は、胃ろう造設(PEG)をしつつ、その合間に胃ろうカテーテル交換をしていました。当時、上尾中央総合病院には経胃瘻(ろう)の内視鏡がなく、透視室で造影しながら行っていました。

患者さんのほとんどが、ストレッチャーか車イスでした。中には、呼吸器を付けてストレッチャーで連れて来られた方がいて、待って頂いている間に呼吸器のバッテリーが切れて電源をつながなくちゃいけなくなった、ということがありました。

胃ろうカテーテルの交換に来られるのは、多くが寝たきりの方です。そういう方たちを病院まで来させるというのは、本人にとってもプラスではないし、段取りをして連れてくるご家族は本当に大変だろうと思うんですね。

施設の入居者さんも、看護師さんや介護士さんが連れてきていました。胃ろうカテーテル交換の間、施設では人出が足りなくなっているんだろうと思います。

胃ろうカテーテルを交換するのは、ほんの5分もかからないですよね。でも、大きい病院に行くと、帰るまでに何時間も必要になる。それこそ医療資源の無駄かなと思って。

だったら、こうやって私が機材を持って行ったほうがよっぽど早いし、いいんじゃないかなと思ったのが在宅をやるようになったきっかけのひとつです。」

― 実際やってみてどうですか?

「上尾中央総合病院で1000件以上の胃ろうを造設し、1000名以上の患者さんたちと関わらせていただく中で、その方たちの退院後の生活が気になるようになりました。

病院は、維持管理をだんだんやらなくなってきていますので、退院後のケアをしてくれる先生が日本各地にいないと、患者さんが困ってしまいます。病院での治療の後に患者さんにとっての生活のスタートがあるんですよね。

胃ろう造設の患者さんは、一時よりは少し減りましたけど、それでも脳血管疾患とか神経難病とかでどうしても胃ろうが必要な方がいます。高齢者人口がどんどん増えてきていますので、胃ろうの対象になる方が今後も増えると思います。」

― 最後に一言お願いします。

“在宅医療が必要な地域の患者さんとそのご家族が、安心して在宅療養ができるよう、

安全で質の高い、信頼される在宅での診療と看護を提供する”

「当院で掲げている理念です。地域のかかりつけ医として、身近な存在でありたいと思っています。」

宮内 邦浩 先生 プロフィール
1986年         北里大学医学部卒業
1986年~1992年  北里大学病院および関連施設で臨床研修
1992年~1995年  上尾中央総合病院外科勤務
1995年~1997年  ブラウンシュバイク市立病院(ドイツ)外科勤務
1997年~      上尾中央総合病院外科勤務
2001年~      上尾中央総合病院外科科長
2014年~      あげお在宅医療クリニック開設【専門とする疾患領域】  
 ・在宅での胃瘻カテーテル管理
 ・在宅での栄養管理【所属学会・認定医など】  
 ・日本外科学会認定 外科専門医  
 ・日本消化器外科学会 消化器外科専門医  
 ・日本消化器内視鏡学会 専門医  
 ・PEG・在宅医療研究会 専門胃瘻造設者 専門胃瘻管理者

 

― 編集後記

宮内先生は、あげお在宅医療クリニックの開設前は、上尾中央総合病院に外科科長として勤務されていました。現在は、訪問診療と訪問介護を主軸に、在宅での胃ろうカテーテル交換を1ヶ月に40~50件程実施されているそうです。

今回のインタビューでは、宮内先生が患者さんやそのご家族、施設のスタッフのことを慮り、在宅での胃ろうカテーテル交換を決意された高貴な思いな聞くことができました。

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