将来の歯科医に摂食嚥下リハビリテーションを

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石田 瞭 先生(東京歯科大学摂食嚥下リハビリテーション研究室 教授)

東京歯科大学摂食嚥下リハビリテーション研究室の石田瞭先生にお話をお伺いしました。

― ご施設の特徴について教えてください

私は東京歯科大学に勤めています。 現在の診療場所は水道橋病院と千葉病院の2か所で、どちらも8割が訪問診療です。 アポイント(診療予約)を必要とする、治療計画のある診療を行っています。

1軒あたりの滞在時間が1時間弱になりますので、1日5~6軒を訪問すれば丸一日掛かってしまいます。 水道橋病院は訪問診療を始めてまだ3年目ですので、全ての診療枠が埋まるほどではありません。 逆に、千葉病院は8年目になり、予約待ち1ヵ月という状況です。 嚥下主訴で1ヶ月待たせると肺炎になってしまうケースもあるので、あまり良い状況とは言えないのですが、現状はそのくらいまでになっています。

ーなぜ摂食嚥下分野に進まれたか

私は平成8年の大学卒業なのですが、当時はまだ摂食嚥下リハビリテーションの黎明期で、昭和大学が唯一の学び場と言っていい状況だったため、昭和大学に進むことにしました。

当時、小児歯科医をしている母が昭和大学の研究生として摂食嚥下を学んでいたのもきっかけの1つです。 昭和大学では、「小児の食べる機能の発達」という観点で、勉強していました。 当初は小児が専門でしたが、時代は少子高齢化となり、そのニーズに応えるべく、特別養護老人ホームでのサポートも行っていました。 現在の患者層としては、高齢者の方が多いです。

ー実際やってみてどうですか

嚥下の評価というのは、「見る」、「聞く」、「感じる」ということが大切です。 「見る」というのは、その方の食べる場面。 「聞く」というのは、飲み込みの嚥下音と呼吸音。 「感じる」というのは、触れるということで、例えば、嚥下時の喉の上がり具合を見ることで、飲み込み時の異常性がある程度わかります。

摂食嚥下障害等で、食べていない人が食べられるようになるかを診る最初のアプローチでは、とろみ水やゼリー、ヨーグルト等を使いますが、外見上の評価と既定のスクリーニング検査を併用し、総合判断していきます。 さらに食べられるか、どの食形態が良いか、というような課題に対して、あるいは不顕性誤嚥のリスクが高い場合に、VE(嚥下内視鏡検査)を行っていきます。 その頃には患者との信頼関係も確立しているので、検査には入りやすくなっています。 なるべく怖い顔をしない等、緊張させないで、リラックスした環境が作れるように心掛けています。

石田先生 千葉病院①

ー最後に一言お願いします

大学で仕事をしているので、「いかに将来の歯科医に摂食嚥下リハビリテーションを歯科の一分野としてやってもらうか?」それを至上命題にしています。 教育カリキュラム上の制約はありますが、「摂食嚥下リハビリテーション」のエッセンスは分かってもらいたいですし、それが分かる将来の歯科医を育てることが私の一番の仕事だと思っています。

石田 瞭 先生プロフィール:
1996年  岡山大学歯学部卒業
1998年  Johns Hopkins University (Maryland, USA)留学
2000年  昭和大学大学院歯学研究科口腔衛生学 修了
2000年  昭和大学歯学部口腔衛生学 助手
2003年  岡山大学医学部・歯学部附属病院 特殊歯科総合治療部 講師
2008年  東京歯科大学 摂食・嚥下リハビリテーション・地域歯科診療支援科 講師
2011年  同 准教授
2015年  東京歯科大学 口腔健康科学講座 摂食嚥下リハビリテーション研究室 教授

 

― 編集後記

今回のインタビューでは、早い段階から摂食嚥下の道を目指し、海外にも留学される石田先生の、この領域に対する強い思いを感じました。

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